●ワンピースのはじまり●
ワンピースは非常に古い歴史を持っており、縄文時代にはすでにワンピース状の服が作られていたという説もあります。
縄文時代の人々は狩猟によって得た動物の毛皮や魚の皮、羽毛などを利用して服を作っていたようです。ただし、さまざまな素材が用いられたのは、寒さや外敵から身を守るなどといった理由からであって、装飾的な意味はなく、男性も女性も、みな同じような格好をしていたと考えられています。
その後、農業がおこなわれるようになると、人々は自分たちで繊維を作るようになります。そして麻の織物などが作られるようになりましたが、服の形はワンピース状から、あまり大きく変化しなかったようです。
●ワンピースの進化●
時代が進むにつれ、少しずつではありますが、装飾もされるようになります。弥生時代には、動物の毛皮を使ったものではなく、織った布地を身にまとうようになりました。
また、繊維をただ織るだけではなく、植物を使って染められ、色にもバリエーションがつけられるようになります。
やがて服の形状にも変化があらわれ、ワンピース状のものではなく、上下が別れている袈裟衣と呼ばれるスタイルになっていったようです。袈裟衣とは、1枚の布を肩からかけて前で結び、もう1枚の布を腰にまいたもののことをいいます。このころから、上下に分かれた二部式の衣服も着用されるようになったのです。
飛鳥・奈良時代になると、着物に似た衣服が登場します。それ以降、長い時間をかけて、明治時代まで着物は改良されていきました。着物は全体がひとつなぎになっていますから、ワンピースの一種といえるでしょう。
●現代女性のワンピース●
長い歴史を持つワンピースは、女性らしさを表現する衣服であるという認識が定着しています。20世紀になってから、上下が分かれている二部式の衣服も女性が着る服として認知されるようになりましたが、今でもワンピースの一種である着物は女性の正装とされています。時代の流れと共に、少しずつスタイルが変わってきたワンピースですが、女性のファッションに欠かせないものであるという点は、今も昔も変わっていないのです。ワンピースの変遷を見ていくと、女性ファッションの変遷を同時に垣間見ることができるでしょう。